こんにちは、イシカワです。
この記事では、山梨県警察の論作文(論文・作文)について、直近2年の過去問・出題傾向・試験当日までの対策方法をまとめています。山梨県警察の警察官を目指す方が、何をどの順で準備すればいいか、分かりやすく整理しました。
この記事でわかること
- 山梨県警察の論作文の試験条件(試験時間・文字数・問題形式など)
- 直近2年の過去問(警察官A・警察官B)
- 過去問から読み取れる出題傾向
- 採点で見られやすい評定ポイント
- 当日までの準備の手順と、よくある質問への回答
山梨県警察の論作文の試験条件
山梨県警察の論作文は、警察官A(大学卒)が論文、警察官B(大学卒以外)が作文として課されてきました。文字数は明確に公表されていませんが、時間・形式ともに区分で違いがあります。
| 採用区分 | 問題形式 | 試験時間 | 文字数 |
|---|---|---|---|
| 警察官A(大学卒) | 論文 | おおむね90分 | 公表なし(約1,100字が目安) |
| 警察官B(大学卒以外) | 作文 | おおむね60分 | 公表なし(約800字が目安) |
同じ山梨県警察の採用試験でも、警察官Aは論文、警察官Bは作文という区分けです。問われる中身がはっきり違います。また山梨県警察は近年、採用試験を年に複数回(第1回・第2回)実施しており、回によって出題が変わります。ここからは区分ごとに、過去問と出題傾向を見ていきましょう。
なお、実際の試験時間・字数・区分名等の試験条件は、年度ごとに変わることがあります。本試験前には必ず、最新の公式情報(募集要項・採用案内等)を確認してください。
山梨県警察・警察官A(論文)の過去問と出題傾向
山梨県警察・警察官A(論文)の過去問
警察官Aの論文は、ひとことで言うと「社会の課題+警察官としての取組」が問われる形式です。A区分は年に第1回・第2回が実施されるため、直近2年について、両方の回を掲載します。
2026(令和8)年度・第1回
大規模災害によって起こる被害について触れつつ、警察官が果たす役割とあなたが警察官としてどのように対応すべきか考えを述べなさい。
2026(令和8)年度・第2回
飲酒運転を根絶するために、社会全体で取り組むべき事項について、あなたの考えを述べなさい。
2025(令和7)年度・第1回
SNSを利用した犯罪が全国的に発生しているが、これらの特徴に触れつつ、あなたが警察官として特に力を入れたい取組について述べなさい。
2025(令和7)年度・第2回
警察が取り組むべき交通の課題について触れつつ、交通事故のない社会の実現のために必要なことは何か、あなたの考えを述べなさい。
(出典:山梨県警察)
山梨県警察・警察官A(論文)の出題傾向
2年分から読み取れる傾向は、主に2つです。
傾向1:交通安全と大規模災害という「地域の安全」テーマが軸
飲酒運転の根絶、交通事故のない社会、大規模災害への対応。A区分はこの数年、県民の生活に直結する「地域の安全」を続けて出してきました。山梨は自動車の利用が生活に密着し、山地の多い土地柄で災害対応も避けて通れません。抽象論では足りず、課題を踏まえて自分が現場で何をするかまで書ける人が評価されます。
傾向2:課題に触れたうえで「警察官として何をするか」まで書かせる
「これらの特徴に触れつつ、特に力を入れたい取組を述べよ」「被害について触れつつ、警察官としてどのように対応すべきか述べよ」のように、社会の課題を述べたうえで、自分の取組まで書かせる二段構えのケースが目立ちます。つまり、社会問題の評論で終わる答案は設問に答えたことになりません。「自分の行動」から逆算して答案を組むことが求められます。
なお、イシカワ塾では、このような山梨県警察・警察官Aの出題傾向に合わせた「予想テーマ解答例」もご用意しております。必要に応じてご活用ください。
山梨県警察・警察官B(作文)の過去問と傾向
山梨県警察・警察官B(作文)の過去問
警察官Bの作文は、A区分とは対照的に「受験者の経験・志望動機」を問う形式です。あなた自身の努力や困難の乗り越え方に切り込む問いが続きます。B区分は年に複数の例題が公表される年があるため、直近2年について、公表された全ての例題を掲載します。
2025(令和7)年度・例題1
あなたがこれまでに努力してきたことについて述べなさい。また、警察官としてその経験をどのように生かせるか、あなたの考えを述べなさい。
2025(令和7)年度・例題2
あなたがこれまで直面してきた困難について触れつつ、今後その経験を警察官としてどのように活かしていくか、あなたの考えを述べなさい。
2024(令和6)年度
① あなたが警察官を志望した理由は何か。 ② どのような警察官を目指しているのか。 この2点について述べなさい。
(出典:山梨県警察)
山梨県警察・警察官B(作文)の出題傾向
警察官Bの出題傾向はハッキリしており、「努力してきたこと」「直面した困難」「志望理由」「目指す警察官像」など、受験者の経験と人物像が問われる傾向があります。社会評論はほぼ求められません。
きれいな言葉を並べるだけでなく、自分の経験と警察官の仕事を結びつけて、それをどう活かすかまで述べることが重要になります。部活・アルバイト・学校生活の中から、努力や困難を書けるエピソードを一つ、徹底的に深掘りしてネタを用意しておきましょう。
なお、イシカワ塾では、このような山梨県警察・警察官Bの出題傾向に合わせた「予想テーマ解答例」もご用意しております。必要に応じてご活用ください。
採点でどこを見られるか(A・B共通)
採点者が見ているのは、文章の上手さよりも「この人と一緒に働けるか」だと考えてください。
警察官の採用試験は、文章力を競う試験ではなく、一緒に働く仲間を選ぶ試験です。もちろん、論文・作文として基本的なルールを守ることは大前提ですが、それ以上に、「問われたテーマに正面から向き合っているか」「自分なりに最後まで答えを出しているか」が特に重視されます。気の利いた言葉や表現より、自分の頭で考えた跡があるかどうかを、採点者は見ています。
特に山梨県警察の論作文試験の場合、次のポイントに注意しましょう。
- 設問の要求を分解し、すべてに答えているか。「特徴に触れつつ取組を述べよ」のような二段構えの問いに、片方だけで終わっていないか。
- 提案しようとしている取組や対策が、現場の動きとして、仕事として想像できるか。「現実に何ができるか」に触れずに、理想論だけで終わっていないか。
- 警察官としての適性が、文章からにじみ出ているか。
山梨県警察が掲げる運営の重点
山梨県警察は、令和8年の活動指針として「県民のために、県民とともに 安全・安心なやまなしをめざして」を掲げています。この指針のもと、次の6つを重点目標に定めています。
- 県民の身近で発生する犯罪を抑止する総合対策の推進
- 交通死亡事故抑止総合対策の推進
- 悪質・凶悪犯罪の徹底検挙
- 匿名・流動型犯罪グループ等による組織犯罪の根絶に向けた総合対策の推進
- サイバー空間の脅威に対する総合対策の推進
- 災害・テロ等緊急事態総合対策の推進
過去問と重ね合わせると、出題と重点がきれいに対応しているのが分かります。飲酒運転や交通事故のテーマは「交通死亡事故抑止総合対策」、SNSを利用した犯罪は「サイバー空間の脅威に対する総合対策」、大規模災害は「災害・テロ等緊急事態総合対策」。山梨県警察がいま力を入れている課題が、そのまま設問になっているということです。重点を知っておくと、答案で「地元の実情を踏まえた書きぶり」ができるようになります。
運営指針・重点目標は毎年更新されますので、受験前に最新版をチェックしておきましょう。
(出典:山梨県警察『令和8年山梨県警察活動指針及び重点目標』)
答案で使える山梨県の事実
傾向で見たテーマに沿って、答案の説得力を上げる県の公表データを3つだけ紹介します。丸暗記ではなく、序論で課題の深刻さを示す材料として使ってください。
- 山梨県の地震被害想定調査では、曽根丘陵断層帯の地震で建物全壊・全焼94,102棟、死者3,843人、南海トラフの巨大地震でも死者3,019人が想定されている(令和5年調査)。→ 「大規模災害」テーマの序論で、被害の規模を具体的に示す材料に。
- 山梨県は総面積の約86%が山地、森林が県土の約78%(令和2年)を占める。→ 山がちで平地が少ない土地柄を踏まえ、災害時のアクセス確保や交通安全の背景として使える。
- 山梨県の高齢化率は2020年の30.8%から、将来的に42.5%まで上昇する見込み(人口ビジョン2.0)。→ 高齢ドライバーが関わる交通事故や、地域の見守りの担い手という文脈で対策提案につなげる材料に。
なお、数値は公表時点のもので、年度によって更新されます。答案で使うときは「約」を付けた概数で十分です。
(出典:山梨県公表資料[地震被害想定調査・人口統計・人口ビジョン2.0等])
なお、イシカワ塾では、全国の警察本部の論作文課題や重点目標を分析し、最も出題可能性の高いテーマだけを集めた「予想テーマ解答例セット」もご用意しております。必要に応じてご活用ください。
試験当日までの対策ガイド
やることは至ってシンプルです。
- 良質な解答例を読む
- 自分で書いてみる
これだけに集中しましょう。
闇雲に、自分の力だけで論作文対策を乗り切ろうとするのは、あまりに無謀です。もちろん、独学での努力を否定するわけではありませんが、論作文試験の先には面接なども控えていますので、ここは出来る限り効率化し、他の試験対策に投資できる時間を増やしましょう。
試験当日までのオススメの過ごし方は以下の通りです。
- 「警察論作文の書き方ガイド」などを参考にしつつ、解答例を読み、論作文の基本の型を身につけましょう。結論・理由・具体・まとめの骨格をまず固めます。
- A区分は「課題+警察官としての取組」、B区分は「経験談+志望」で書く準備をしましょう。自分の区分に合わせて、書くネタの引き出しを作っておいてください。
- 身につけた型に、山梨県警察の重要テーマを当てはめます。「交通安全」「大規模災害」「SNS犯罪」「目指す警察官像」などのテーマで予想問題を作り、実際に手を動かして答案を作る練習をします。当塾の「過去問解答例」や「予想テーマ解答例セット」を活用するのもオススメです。
- 最初はじっくり書いても構いませんが、試験本番の2週間前くらいまでには、本番どおりに時間を測って書く練習を始めましょう。A区分は約90分、B区分は約60分で書き切る時間配分を体に覚えさせます。
- 書いた答案を、設問とつき合わせて見直しましょう。設問で問われていることにしっかり答えているか、主語が自分になっているか、チェックしましょう。
なお、できれば仕上げの段階で意識してほしいのが、面接対策との一貫性です。論作文試験で書いた志望理由や警察官像は、面接でも問われる可能性があります。両者で言うことがブレないように、自分の軸を一本にしておくのが望ましいです。論作文は面接の下書きでもあります。
よくある質問(FAQ)
受験生からよく受ける質問に答えます。準備の手が止まりがちな点を中心にまとめました。
山梨県警察の論作文は何字書けばいいですか。
字数は明確に公表されていません。目安として、A区分は約1,100字を90分、B区分は約800字を60分で書き切る練習をしておくと安心です。本番の原稿用紙の行数は当日に確認し、それに合わせて分量を調整してください。
警察官Aと警察官Bで、対策は変えるべきですか。
はい。過去問を見るかぎり、警察官Aは論文で「社会課題+警察官としての取組」、警察官Bは作文で「経験・志望動機」が問われる傾向があります。受ける区分に合わせて、練習するテーマも変えるべきでしょう。
第1回と第2回でテーマは変わりますか。
変わります。山梨県警察は近年、採用試験を年に複数回(第1回・第2回)実施しており、回ごとに別のテーマが出ています。この記事でも回を分けて掲載しているので、両方に目を通しておくと安心です。
時事ネタや数字は答案に入れるべきですか。
入れると具体性は増します。ただし、時事的な数値や統計情報は年々変わるのと、暗記し始めるとキリがない部分もあります。したがって、大まかなスケール感(「約◯◯件」「約◯◯名」など)や、近年の傾向(「増加傾向にある」「減少傾向にある」など)を把握して、答案に盛り込むのがオススメです。
文章が苦手でも合格できますか。
できます。警察官の論作文の採点は、表現のうまさより、「設問にまっすぐ答え、自分の言葉で書けているか」「思想的な偏りがないか」が評価の軸になります。答案の型を覚えて練習を重ねれば、文章力そのものは後からついてきます。
ひとりで対策していて、手応えがありません。
よくあることです。論作文は自分では出来を判断しにくいものです。解答例の型に沿って書き、設問とつき合わせて見直すだけでも変わります。家族や友人、学校の先生などに読んでもらうのもオススメです。
まとめ
最後に要点を整理します。
- 山梨県警察の論作文は、警察官Aが論文、警察官Bが作文で、Aは社会課題+取組、Bは経験・志望動機を問うという傾向でした。
- 直近の出題傾向は、「交通安全」「大規模災害」「SNS犯罪」「目指す警察官像」など。山梨県警察の運営重点とつながっています。
- 準備は、解答例を読む → 自分で書いてみるの順番で進めるのが最短ルートです。
なお、ひとりでの対策に不安がある方、手応えがなかった方、仕事や部活などで時間がない方には、警察官A・Bそれぞれの採用区分に合わせて、独学での合格をサポートするテキストもご用意しています。必要に応じてご活用ください。
あなたが最終合格し、山梨県警察・警察官として活躍されることを心から願っております。イシカワでした。
POLICE / FIRE EXAM