警察官採用試験

【警察官採用試験】作文・小論文対策・完全ガイド【例文・模範解答あり】

警察官になりたい人
警察官採用試験の論作文対策をしたいけど、文章書くのって苦手だなぁ…。誰でも簡単に論作文を書けるようになる方法があったら知りたい。

こんな要望に答えます。

警察官採用試験|作文・小論文対策完全ガイド

こんにちは、イシカワです。 今回は、警察官採用試験の論作文対策を解説します。 教養試験とは異なり、明確な正解が分かりにくい作文・小論文試験ですが、実は誰でも高得点を狙える「正攻法」があります。 この記事を読むことで、「論作文試験の概要、対策の進め方、文章の書き方、オススメの参考書」などが分かります。

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そもそも作文・小論文試験とは?

作文・小論文試験とは

公務員試験における作文・小論文試験は、受験者の読解力・論述力・論述力を評価するための筆記試験です。 警察官採用試験では一般的に一次試験で実施されますが、自治体によっては二次試験で面接と合わせて実施する場合もあります。また、教養試験の成績が著しく低い受験者については、論作文の答案を採点せず、即不合格とする自治体もあります。

論作文試験の配点比率

採用試験の筆記試験というと、なんとなく教養試験が主役で、論作文はオマケというイメージが強いかも知れません。しかし実際には、論作文試験こそ影の裏ボス的存在です。 特に近年は公務員試験全体の傾向として、論作文試験の結果を重要視する官公庁が増加傾向にあります。 ここで、配点が公表されている警察官採用試験の一例を見てみましょう。
千葉県警察 (高卒・大卒共通) 配点表
教養試験 資格加点 論作文試験 人物試験
一次試験 100 5
二次試験 100 300
鳥取県警察 (大卒程度) 配点表
教養試験 資格加点 論作文試験 人物試験
一次試験 150 20
二次試験 200 500
※ 年度により異なる可能性があります。 この通り、教養試験と論作文試験の配点が同等、もしくは論作文試験の配点のほうが高いことが分かります。 さらに警察官採用試験では、一次試験の点数が二次試験に反映されないケースも多いです。 つまり、一次試験の教養科目や資格加点でどれだけ高得点を獲得できたとしても、二次試験の論作文や面接で失敗すればほぼ確実に不合格となります。

作文・小論文試験が重視される理由

警察官採用試験で論作文試験が重視されるのは、受験生が書いた文章から、その人物の人間性や知識の応用力を評価できるからです。
  • 自分の見解を整理し、読み手に伝わりやすい文章で表現できるか。
  • 警察官としてふさわしい倫理観を身に付けているか。
  • 読みやすい文字で書かれているか。
  • 原稿用紙の使い方は正しいか。
  • 意見・主張の内容は妥当か。
  • 言葉遣いは丁寧か。
  • 誤字脱字はないか。
上記のような視点で答案を評価すると、受験者の作業能力・物事の考え方・人間性が見えてきます。 答案の自由度が高いゆえに、教養試験では分からない受験者の内面を知ることができるわけです。 特に、警察官をはじめとした公安職では、堅実な文書作成能力はもとより、思想や社会性のバランス感覚も最重要視されます。ゆえに、表面的な知識・知能を評価する教養試験よりも、受験者の思想や心情を把握しやすい論作文試験のほうが重視されるというわけです。

制限時間や文字数の条件はどのくらい?

一般的な試験条件は、時間制限が60分程度、文字数が800〜1000字程度となっています。
制限時間 文字数
警視庁 80分 1000字程度
大阪府警 60分 1000字以内
神奈川県警 60分 (大卒)800字程度・(高卒)600字程度
千葉県警 60分 900字程度
埼玉県警 60分 700字〜900字
※ 年度により変更となる可能性があります。

作文・小論文対策の進め方

基本の流れは次の通りです。

論作文対策の進め方

  1. 基礎知識を身に付ける
  2. 文章構成の基礎を学ぶ
  3. 解答例を読む
  4. 自分で書いてみる
  5. 添削する
詳しく解説します。

STEP ❶ 基礎知識を身に付ける

論作文試験の問題形式は以下の4種類に分類できます。
  • 個人的な事柄に関するテーマ
  • 社会に関するテーマ
  • 警察に関するテーマ
  • 資料解釈型テーマ
いずれのテーマもスムーズに答案を書き上げるためには基礎知識が求められます。 以下のテクニックを参考にしつつ、まずは基礎学習を終わらせましょう。

個人的な事柄に関するテーマ

過去の出題

  • 学生生活の中で得た最も大切なことは何ですか。 それを警察官としての活動にどのように活かしてい きたいか述べなさい。

    警視庁 Ⅲ類 平成30年度

  • 現在、自らの成長に必要なものを理由とともに述べた上で、今後、その成長に向けてどのように努力し、警察官として自らの能力を発揮していきたいか述べなさい。 」

    警視庁 I類 令和3年度 第1回

  • あなたがこれまでに力を注いできたことを挙げ、そこから何を得たのか、また警察官としてどのように活用していくのか、あなたの考えを述べなさい。

    大阪府警察 B(高卒)区分 令和2年度 第2回

  • あなたが警察官を目指すに当たり、現時点で不足している能力を挙げ、警察官に採用されるまでにその能力をどのように向上させていくか具体的に述べなさい。

    兵庫県警察 高卒程度 令和元年度 第1回

出題の特徴
受験生自身の個人的な経験・価値観に焦点を当てた出題です。 事前知識が不要なため、警察官志望ではない受験生にも書きやすいテーマです。 主に高卒区分の作文試験に多い形式ですが、近年は警視庁1類をはじめ、大卒区分の小論文試験でも出題される傾向があります。
対策方法
誰にでも書きやすいテーマということは、ライバルが増えるということです。 設問の難易度が低いので、「問題の主旨を見誤る」「文字数が足りない」などのミスは減りますが、その代わりに文章の質で勝負しなければなりません。 自己分析を通して自分の価値観過去の経験談などを整理しつつ、それらをスムーズに文章化できるよう訓練しておきましょう。 特に以下のテーマは論点になりやすいので要チェックです。

要注意テーマ

  • 学生時代に頑張った事
  • 困難な経験・失敗談
  • 自分の強み・弱点
  • 弱点の克服方法
  • 理想とする警察官像 etc.
なお、下記ページにて当塾オリジナルの「自己分析シート ( 2枚組 ) 」を無料配布しております ( 有料テキストですが、シートは無料でダウンロードできます) 。 採用担当経験者が徹底監修した自己分析シートですので、ぜひ受験対策にお役立てください。
【公務員の面接カード】元公務員による書き方解説&記入例9選【公務員採用試験・面接試験対策】|イシカワ塾|公務員試験対策
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こんにちは、イシカワです。 本テキストは、公務員採用試験の面接試験突破を目的とした面接カード作成支援テキストです。 ...

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社会・時事に関するテーマ

過去の出題

  • AI(人工知能)をどのようにして警察組織に取り入れるか。また、取り入れたことでどのような変化があるか述べなさい。

    警視庁 I類 令和3年度 第2回

  • 新型コロナウィルス感染症拡大を想定した『新しい生活様式』は治安にどのような影響をもたらすか、また、警察官としてその影響とどのように向き合い対応していくべきか、あなたの考えを述べなさい。

    大阪府警察 A(大卒)区分 令和2年度 第3回

  • あなたが関心のあるニュース・新聞報道等をひとつ挙げ、警察官としてどのように取り組むか、あなたの考えを論じなさい。

    神奈川県警察 警察官A(大卒区分) 令和元年度

  • 人口減少と高齢化の急速な進行、訪日外国人来道者数の増加など、北海道を取り巻く最近の社会情勢に触れながら、あなたが警察官として果たすべき役割について述べなさい。

    北海道警察 警察官A(大卒程度) 平成28年度 第2回

出題の特徴
社会問題や時事問題に関する出題です。 警察官として必要な社会的素養を問う出題ですので、適切に答案するためには出題テーマに関する基礎知識が必要です。
対策方法
日頃からニュースや新聞をチェックしつつ、社会情勢に対する自分の意見や考えを整理しておきましょう。 時間がない受験生は、速攻の時事などを使って一気に知識を詰め込んでしまうのもオススメです。

警察行政に関するテーマ

過去の出題

  • 大阪府警察が今後取り組むべき治安上の課題は何だと思いますか。また、あなたが警察官になればその課題に対してどのように取り組みますか、あなたの考えを述べなさい。

    大阪府警察 A(大卒)区分 令和2年度 第2回

  • 高齢者人口の増加等を背景として、高齢者の犯罪被害防止、交通事故防止、災害対策などが課題となっている現状を踏まえ、千葉県警察として取り組むべき対策について述べなさい。

    千葉県警察 警察官A(大卒区分) 令和元年度 第1回

  • 現在、広島県警察は「安全・安心を県民とともに築く力強い警察」を基本方針として活動している。「力強い警察」とはどのようなものか論じたうえで、それを実現するためには警察としてどのような取組が必要かあなたの考えを述べなさい。

    広島県警察 警察官A(大卒程度) 令和4年度 第2回

  • 交通指導取締りの必要性について、あなたの考えを述べなさい。 」

    北海道警察 A(大卒)区分 令和2年度 第2回

出題の特徴
警察に関する専門的な知識・意見を問う問題で、出題頻度は比較的高いです。 この手の問題を解く際は、一般市民としての見解を述べるのではなく、「自分が警察官の立場だったら、どう考えるか?」という視点で回答しなければなりません。
対策方法
  1. 志望先の公式HPをチェック 志望先警察本部のHPを閲覧し、管轄する地域の特性や犯罪動向を把握しておきましょう。また、日本の行政機関の取り組みは原則として「重点施策」に基づき推進されます。重点施策とは、行政機関が社会に対して「私たちはこういう分野に重点を置くよ」とアピールするためのスローガンのようなものです。重点施策を読めば、その官公庁がどのような分野に力を入れているのか分かるので、必ず把握しておきましょう。
  2. 警察白書を読む 警察庁が発行している「警察白書」を読んでおきましょう。 警察白書とは、日本国内の犯罪発生状況や警察機関の活動実績、警察行政が現在取り組んでいる重要施策などを、警察庁が毎年取りまとめている年次報告書です。 警察庁の公式ホームページから無料でダウンロードできるので、警察官志望者は必ず入手しておきましょう。
なお、これらの情報はかなりボリューミーなので、細かい数値データや固有名詞まで丸暗記する必要はありません。 興味のあるテーマや、論作文で話のネタになりそうな部分だけ、自分なりにチョイスして覚えておけば十分です。

STEP ❷ 文章構成の基礎を学ぶ

基礎学習をある程度進めたら、次は文章をスムーズに書くテクニックを学んでいきます。
といっても、やるべきことはシンプルでして、この動画を見ておけばOKです。 こちらの動画では、文章の基本的な書き方と論作文解答例 2本分を公開してます。消防官採用試験を題材にした動画ですが、文章中の言葉選びや段落構成の考え方などは警察官採用試験でも共通する内容です。 動画を参考にしつつ、自分なりに過去問を解いてみて、もっと詳しく知りたいと思った時だけテキストを買い足す。こんな感じの流れがおすすめです。

STEP ❸ 解答例を読む

論作文対策をより効率化したいのであれば、実際に文章を書き始める前にお手本となる解答例を読んでおくべきです。 闇雲に文章を書きまくるよりも、ゴールを見据えて対策を進めたほうが最短ルートで上達できるからです。 解答例を入手する方法としては、以下の2通りがあります。

解答例の入手方法

  • 合格者から解答例をもらう。
  • テキストを参考にする。
一番手っ取り早いのは、身近な知り合いに警察官がいて、解答例を提供してもらえる場合です。 ただ、そのような幸運な方は、中々いないんじゃないかなと思います。 そこで、ひとつ提案です。

お知らせ

当イシカワ塾では、下記サイトにて警察論作文の模範解答例を多数配信しています。
イシカワ塾|公務員試験対策|note
イシカワ塾|公務員試験対策|note

note.com

いずれのテキストも「最短ルートで論作文対策を終わらせる」という点に特化しています。 元警視庁警察官が監修したハイレベルなテキストを多数取り揃えておりますので、「何がなんでも警察官になりたい」「他の受験生と圧倒的な差をつけたい」という方は、ぜひご活用ください。

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STEP ❹ 実際に書いてみる

論作文試験対策において最も重要なのは、実際に自分の手で文章を書くことです。 どれだけたくさんの文章テクニックを学んでも、書く訓練をしないことには文章力は向上しないからです。
作文・小論文はスポーツと一緒。
ちょっと変な例え話かも知れませんが、知識やテクニックだけを詰め込んで試験本番に挑むのは、スポーツを座学で学んでいきなり公式試合に出るようなものです。稀に運や才能だけで乗り切る猛者もいるかも知れませんが、大抵はコテンパンにされて試合終了です。 最高のパフォーマンスを本番で確実に発揮するためには、日頃の練習が不可欠です。 最初は1本の論文を書き上げるだけでも相当疲れると思いますが、そんな地道な積み重ねが、確実にあなたの文章力を向上させていきます。 そのうち少しずつ慣れてきて、最終的にはどんな出題テーマでもスムーズに書き進められるようになります。

作文・小論文の執筆手順

警察官採用試験の受験生の中には、試験開始の合図と同時に猛烈な勢いで答案用紙に書き殴り始める方がいます。 ただ、正直このやり方はあまりオススメしません。 書く内容を整理せず、ただ流れにまかせて書き上げた答案では高得点は狙えないからです。 じゃあ、どうしたらいいの?という話ですが、実は作文・小論文には、王道の執筆手順があります。 具体的には、以下のとおりです。

執筆手順

  1. 論点を整理する(5〜10分)
  2. 文章構成を考える(5分)
  3. 内容を作り込む(5分)
  4. 清書する(30〜40分)
  5. 最終チェック(5分)
カッコ内の時間は、試験時間60分の場合のペース配分です。 あくまで目安なので、練習を繰り返しながら自分に合った時間配分を見つけてください。 また、慣れないうちは制限時間を無視して、きっちり文章を書き上げることに集中するのがおすすめです。
なお、個人的な経験からいうと、清書にかかる時間は800字で20〜30分、1000字なら30〜40分くらいが目安です。
「ちょっと書くの遅いんじゃない?」と思われるかも知れませんが、本番の緊張の中で言葉遣いを選びつつ、丁寧な筆記を心掛けていると、このくらいの時間はかかってしまいます。 試験本番では絶対に答案を書き終えなければならないので、清書時間を削ることは決して許されません。もし仮に、清書時間を確保できなくなりそうになったら、その時はどれだけ下書きが中途半端でも、あきらめて答案用紙に清書するしかありません。 そのようなことが起こらないよう、何度も演習を繰り返して、余裕を持って答案を書き上げられる実力を身に付けておきましょう。
それでは具体例を出しつつ、解説します。

設問

他者と良好なコミュニケーションを図る上で重要なことは何か、あなたの考えを述べなさい。 
この問題の答案を、一緒に考えていきましょう。

執筆手順 ❶ 論点を整理する

試験開始の合図が出たら、まず問題文をゆっくり読んで、出題の意図を整理していきます。 ここで論点を見誤ってしまうと、「問題の主旨を理解していない」という最悪の評価につながりますので、絶対に早合点はせず、落ち付いて論点を見極めましょう。 ちなみに私の場合、緊張して問題文が頭に入ってこない時は、一旦目を閉じて、深呼吸してから読解を始めていました。 さて、今回の問題文は、
「他者と良好なコミュニケーションを図る上で重要なことは何か、あなたの考えを述べなさい。」
つまり内容を整理すると、この論題で問われているのは「他者と良好なコミュニケーションを図る上で重要なことは、◯◯である。」 この空欄部分です。 この部分が明確になる文章を作っていきます。

ポイント

下書きを考える際のメモ書きは、問題用紙の余白部分に殴り書きしてOKです。答案用紙を汚してはいけませんが、問題用紙の使い方は基本的に自由なので、遠慮せず使い倒しましょう。

執筆手順 ❷ 文章構成を考える

字数配分を意識しつつ、大まかな文章構成を作ります。 YouTube動画でも詳しく解説していますが、基本的な文章構成は以下のとおりです。

文章構成の基本

  1. 結 論 ... 結論を述べる。(自分の意見・主張)
  2. 具体例 ... 結論を詳しく説明する。
  3. 結 論 ... 結論を繰り返す。(全体を俯瞰する)
この文章構成に、問題文の情報を流し込んでいきます。
  1. 結 論 「他者と良好なコミュニケーションを図る上で重要なことは、以下の2点である」(50字)
  2. 具体例 ①「第一に、相手の目を見て笑顔で対話することが重要である」(300字) ②「第二に、相手の立場に立って物事を考えることが重要である」(300字)
  3. 結 論 「他者と良好なコミュニケーションを図る上で重要なことは、相手の目を見て笑顔で対話することと、相手の立場に立って物事を考えることである。そのことを意識しながら、私は警察官として職務に専念していく。」(150字)
こんな感じです。 字数配分については、かなり大まかなイメージでOKです。 最初はペース配分が掴めないかも知れませんが、練習を繰り返すうちに感覚的に分かるようになってきます。
よくある質問:内容と文字数、どちらを重視すべきですか?
文字数の最低条件は必ず守るべきですが、それをクリアできるなら内容重視で書くべきです。 たとえば文字数条件が800字以上1000字程度であれば、800字以上は必ず書きましょう。ただし、それを超えそうならば文字数は十分と考えて、内容重視でしっかり文章を作り込むべきです。 逆に、文字数の上限まで書き上げることだけを目的にして、意味のない文章を水増しするのは絶対にNGです。 インターネットで色々調べると、「論文試験で◯◯字以上書けたのに不合格だった」などの書き込みを目にしますが、その考え方は本質を得ていません。 文章とは「情報伝達の手段」であり、読み手に情報が伝わらない文章に価値はありません。 もちろん自治体によっては、答案した文字数によって得点が多少変動することもあるかも知れませんが、結局のところ、ライバルと差は文章クオリティの良し悪しにより生まれます。本番で文章の質を落とさないためにも、自分の主張を分かりやすく、シンプルに言語化する練習をしておきましょう。

執筆手順 ❸ 内容を作り込む

文章構成の骨組みが出来上がったら、次は自分の意見・主張・知識などを肉付けして、清書できるレベルにまで文章を膨らませます。 言葉で説明しても分かりづらいと思いますので、具体例を出します。
  1. 結 論 「他者と良好なコミュニケーションを図る上で重要なことは、以下の2点である」
  2. 具体例 ①「第一に、相手の目を見て笑顔で対話することが重要である。なぜなら、◯◯だからである。たとえば、◯◯などの場面において、笑顔は重要である。」 ②「第二に、相手の立場に立って物事を考えることが重要である。なぜなら、◯◯だからである。たとえば、◯◯などの場面において、相手の立場に立って物事を考えることは重要である。」
  3. 結 論 「他者と良好なコミュニケーションを図る上で重要なことは、相手の目を見て笑顔で対話することと、相手の立場に立って物事を考えることである」
この◯◯の部分を埋める内容を考えていきます。たとえば、以下のイメージです。
  1. 結 論 「他者と良好なコミュニケーションを図る上で重要なことは、以下の2点である」
  2. 具体例 ① 「第一に、相手の目を見て笑顔で対話することが重要である。なぜなら、他者とのコミュニケーションにおいては、その会話の内容だけでなく、表情や声のトーンなど、非言語的な要素も重要だからである。たとえば、住民対応の場面において、笑顔は重要である。」 ② 「第二に、相手の立場に立って物事を考えることが重要である。なぜなら、他者とのコミュニケーションにおいては、立場による利害の違いや視点のズレなどが原因で、互いの合意を生み出せないことがあるからである。たとえば、防犯指導などの場面において、相手の立場に立って物事を考えることは重要である。」
  3. 結 論 「他者と良好なコミュニケーションを図る上で重要なことは、相手の目を見て笑顔で対話することと、相手の立場に立って物事を考えることである。そのことを意識しながら、私は警察官として職務に専念していく。」
こんな感じです。 話の流れが明確になり、文字数にもボリュームが出てきました。 なお、冒頭と終わりの2つの結論部分は同じ文章の繰り返しでも構いませんが、できれば今後の抱負を加えてみたり、言葉や視点を変えて全体を総括するような文章で締めくくれると、綺麗な答案に仕上がります。

執筆手順 ❹ 清書する

下書きのメモを参考にしつつ、読みやすい文字で答案用紙に清書します。 論作文試験については「文字が汚くても文章が良ければOK」という誤解があったりしますが、大抵の場合、「読みやすい答案かどうか」も評価項目に含まれています。また、あまりに判読できない文章が連続してしまうと「採点不可」として致命的な減点を受ける可能性もあります。 書道のようにゆっくり気合を入れて書く必要はありませんが、少なくとも採点者が不快にならない程度には丁寧な筆記を心掛けましょう。 また、本試験では文章全体の下書きを考えるのは時間的に困難なので、細かい表現などは清書しながら肉付けをして、文字数にボリュームを出していかなければなりません。 これも最初のうちは難しいと感じるかも知れませんが、練習を重ねるうちに慣れてくるはずです。 文章構成の骨組みさえしっかり作ってあれば、少なくとも論点を見失ったり、主張の方向性がブレることはありません。自信を持って書き進めましょう。

解答例について

今回作った解答例の全文は、先ほどご紹介した「note版 イシカワ塾」にて無料公開しています。ご覧になりたい方は下記リンク先の目次から「サンプル解答例」へお進みください。

解答例を読む

執筆手順 ❺ 最終チェック

書き終わった答案を読み返して、誤字脱字がないかチェックします。 ミスを見つけたら残り時間に注意しつつ、丁寧に修正しましょう。なお、この段階では文章構成を変えるような大きな書き直しは厳禁です。なるべく細かい修正に留め、試験終了時には必ず答案を完成させるようにしましょう。

STEP ❺ 添削する

練習の場合、文章が完成したら家族や友人・学校の先生など、身近な人に読んでもらいましょう。 自分で書いた文章を客観的に評価するのは難しいので、添削はなるべく第三者に任せるのがオススメです。 おかしな部分や間違いはその度に改善して、少しずつ文章力を高めていきましょう。 なお、もし自分で添削するしかない場合は、少し時間を空けてから読み直すのをおすすめします。書き上げ直後は「最高のクオリティだ!」と思えても、時間が経って読み返すと色々改善点が見えてくるものです。

まとめ

ということで、今回は警察官採用試験の作文・小論文対策について解説しました。 結局は「慣れ」が一番大事な試験なので、基礎学習が終わったら、とにかく書きまくるのが正解です。 繰り返しになりますが、論作文はスポーツと一緒。 上手な人のプレー ( 解答例 ) を真似て、練習を繰り返すうちに要領がつかめてきます。 気長にコツコツ、頑張っていきましょう。

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