イシカワ塾POLICE / FIRE EXAM
警察 論作文

【警視庁の論文・作文】過去問・出題傾向まとめ

更新日 2026.08.06 執筆 イシカワ(元東京消防庁消防官) 監修 元警視庁警察官

こんにちは、イシカワです。

この記事では、警視庁の論作文(Ⅰ類の論文・Ⅲ類の作文)について、直近3年の過去問・出題傾向・試験当日までの対策方法をまとめています。警視庁の警察官を目指す方が、何をどの順で準備すればいいか、分かりやすく整理しました。

この記事でわかること

  • 警視庁の論作文の試験条件(試験時間・文字数・問題形式など)
  • 直近3年の過去問(Ⅰ類・Ⅲ類)
  • 過去問から読み取れる出題傾向
  • 採点で見られやすい評定ポイント
  • 当日までの準備の手順と、よくある質問への回答

警視庁の論作文の試験条件

警視庁の論作文は、Ⅰ類(大卒程度)が「論文」、Ⅲ類(高卒程度)が「作文」として課され、いずれも80分・1,000字程度という条件で実施されてきました。

採用区分問題形式試験時間文字数
Ⅰ類(大卒程度)論文80分1,000字程度
Ⅲ類(高卒程度)作文80分1,000字程度

警察官採用試験のなかでは、警視庁は制限時間が80分とやや長めで、その分じっくり構成を練れるタイプです。ただし「長いから楽」ではありません。1,000字を丁寧な字で清書するだけでも30〜40分はかかるので、考える時間は実質40分前後と見ておくのが現実的です。ここからは区分ごとに、過去問と出題傾向を見ていきましょう。

なお、実際の試験時間・字数・区分名等の試験条件は、年度ごとに変わることがあります。本試験前には必ず、最新の公式情報(採用サイト・試験案内等)を確認してください。

警視庁・Ⅰ類(大卒程度・論文)の過去問と出題傾向

警視庁・Ⅰ類(論文)の過去問

Ⅰ類の論文は、「論文」という名前とは裏腹に、ひとことで言うと「自分自身の経験・個性+なりたい警察官像」を問う形式です。

2025(令和7)年度
自分自身の個性や能力等に触れながら、理想とする警察官になるために、あなたが今後取り組むべきことについて述べなさい。

2024(令和6)年度
あなたが警察官を目指すきっかけになったことに触れ、どのような警察官になりたいかを述べなさい。

2023(令和5)年度
これまで最も苦労した経験に触れ、そこから学んだことをどのように警察官の仕事に活かしていきたいか述べなさい。

(出典:警視庁)

警視庁・Ⅰ類(論文)の出題傾向

3年分から読み取れる傾向は、主に2つです。

傾向1:入口は毎年「あなた自身」

きっかけ、最も苦労した経験、自分の個性・能力。Ⅰ類はこの数年、受験者本人の経験や個性を起点にする問いを続けています。社会問題を論じさせる時事論文ではなく、自己分析が土台の出題です。抽象的な警察論をいくら書いても、この入口を外すと評価されにくくなります。

傾向2:最後は「どのような警察官になりたいか」へ着地させる

問いの後半は、ほぼ毎年「どのような警察官になりたいか/どう活かすか」です。自分の話だけで終わらせず、経験から学んだことを警察官像へ接続する二段構えで組み立てることが求められます。「この経験→学び→だからこういう警察官に」の型を用意しておきましょう。

なお、イシカワ塾では、このような警視庁・Ⅰ類の出題傾向に合わせた「予想テーマ解答例」もご用意しております。必要に応じてご活用ください。

警視庁・Ⅲ類(高卒程度・作文)の過去問と傾向

警視庁・Ⅲ類(作文)の過去問

Ⅲ類は「作文」ですが、警視庁の場合は中身の方向性がⅠ類とよく似ています。「自分のこと(取り組み・魅力・大切にしたい価値観)→ 警察官としての活かし方」を問う形式です。

2025(令和7)年度
自分自身を高めるために取り組んでいることについて述べ、それを警察官の仕事にどのように活かしていきたいか述べなさい。

2024(令和6)年度
あなたが考える自分自身の魅力を挙げ、その魅力を警察官としてどのように活かしていきたいか述べなさい。

2023(令和5)年度
あなたが警察官として大切にしていきたいと考えることを3つ挙げ、その理由も述べなさい。

(出典:警視庁)

警視庁・Ⅲ類(作文)の出題傾向

Ⅲ類の傾向も、Ⅰ類と地続きです。主に2つに整理できます。

傾向1:軸は「自分のこと → 警察官への活かし方」

取り組んでいること、自分の魅力、大切にしたい価値観。Ⅲ類も受験者自身について答えさせ、それを警察官の仕事にどう活かすかまで書かせます。文章の華やかさではなく、問われたことに素直に、具体的なエピソードで答えているかで差がつきます。

傾向2:「3つ挙げよ」など、自分で論点を立てさせる年もある

2023年度の「大切にしたいことを3つ挙げ、その理由も述べなさい」のように、論点を自分で立てて整理する力が問われる年もあります。数を指定されたら、その数だけ過不足なく挙げ、理由まで書ききることが大切です。

なお、イシカワ塾では、このような警視庁・Ⅲ類の出題傾向に合わせた「予想テーマ解答例」もご用意しております。必要に応じてご活用ください。

採点でどこを見られるか(Ⅰ類・Ⅲ類共通)

採点者が見ているのは、文章の上手さよりも「この人と一緒に働けるか」だと考えてください。

警察官の採用試験は、文章力を競う試験ではなく、一緒に働く仲間を選ぶ試験です。もちろん、論文・作文として基本的なルールを守ることは大前提ですが、それ以上に、「問われたテーマに正面から向き合っているか」「自分なりに最後まで答えを出しているか」が特に重視されます。気の利いた言葉より、自分の頭で考えた跡があるかどうかを、採点者は見ています。

特に警視庁の論作文試験の場合、次のポイントに注意しましょう。

  • 経験の説明に具体性があるか。作り話でない実感が伝わるか。「3つ挙げよ」と言われたら、その数だけ理由まで書けているか。
  • 自分のことを書くだけで終わらせず、最後に「だから自分はこういう警察官になりたい」と言い切って締めているか。警察官像へ接続できているか。
  • 警察官としての適性(使命感・公平公正・チームワーク)が、文章からにじみ出ているか。

警視庁が掲げる運営の重点

警視庁は、『令和8年警視庁重点目標』の基本方針として「首都東京の安全・安心を守る」ことを掲げています。過去問は自己PR型なので、この方針がそのまま問題文になるわけではありませんが、「どのような警察官になりたいか」を書くときの、確かな手がかりになります。

警視庁が重点目標として掲げているのは、次のような分野です。

  • 匿名・流動型犯罪グループ対策、特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺対策の推進
  • サイバー空間の脅威に対する諸対策、テロ等不法事案の防圧検挙
  • 人身安全関連事案等への迅速かつ的確な対処、大規模災害への的確な備えと対応
  • 交通事故防止対策、都民生活の安全と平穏の確保、変化し続ける社会に即した警察組織の構築

(出典:警視庁『令和8年警視庁重点目標』)

基本方針では、「職員一人一人が、新たな時代の変化に適応しつつ、国民からの負託を自覚し、住民の思いを知り息吹を感じながら職務に邁進する」ことがうたわれています。これは、まさに警視庁が求める警察官像そのものです。志望動機や警察官像を書くとき、この方針から自分が関わりたい分野を一つ二つ拾っておくだけで、答案に具体性が出ます。もちろん、面接でも役立ちます。

運営方針・重点目標は毎年更新されますので、受験前に最新版をチェックしておきましょう。

答案で使える東京都の事実

警視庁の問いは自己PR型ですが、「どのような警察官になりたいか」を書くとき、首都東京が向き合う課題を一つ二つ知っておくと、答案に厚みが出ます。丸暗記ではなく、志望動機や警察官像の裏づけとして、都の公表データを3つ紹介します。

  • 首都直下(都心南部直下)地震が冬の夕方に起きた場合、都は死者約6,100人・帰宅困難者約453万人と想定している(令和4年5月公表)。→ 「大規模災害への備えを担う警察官になりたい」と書くときの、具体的な背景に。
  • 東京都の高齢者人口は312万人・高齢化率23.4%(令和7年9月時点・4.3人に1人)で過去最多。→ 特殊詐欺など高齢者が狙われる犯罪に触れ、「都民を守る警察官像」を書く材料に。
  • 東京都の総人口は約1,427万人(令和7年10月時点)で全国最多。→ 「首都東京の安全・安心を守る」責任の重さを、志望動機に落とし込む材料に。

なお、数値は公表時点のもので、年度によって更新されます。答案で使うときは「約」を付けた概数で十分です。

(出典:東京都公表資料[人口統計・高齢者人口推計・被害想定等])

なお、イシカワ塾では、全国の警察本部の論作文課題や重点目標を分析し、最も出題可能性の高いテーマだけを集めた「予想テーマ解答例セット」もご用意しております。必要に応じてご活用ください。

試験当日までの対策ガイド

やることは至ってシンプルです。

  • 良質な解答例を読む
  • 自分で書いてみる

これだけに集中しましょう。

闇雲に、自分の力だけで論作文対策を乗り切ろうとするのは、あまりに無謀です。もちろん、独学での努力を否定するわけではありませんが、論作文試験の先には面接なども控えていますので、ここは出来る限り効率化し、他の試験対策に投資できる時間を増やしましょう。

試験当日までのオススメの過ごし方は以下の通りです。

  1. 「警察論作文の書き方ガイド」などを参考にしつつ、解答例を読み、論作文の基本の型を身につけましょう。序論・本論・結論の骨格をまず固めます。
  2. 「自分自身」を書けるエピソードを2〜3本、棚卸ししておきましょう。苦労した経験、頑張ったこと、自分の強み・魅力など。警視庁の問いは、どれもここから書き出せます。
  3. 棚卸ししたエピソードを、「なりたい警察官像」へつなぐ練習をします。「この経験→学び→だからこういう警察官に」の型で、予想問題を作り、実際に手を動かして答案を作りましょう。当塾の「過去問解答例」や「予想テーマ解答例セット」を活用するのもオススメです。
  4. 最初はじっくり書いても構いませんが、試験本番の2週間前くらいまでには、80分・1,000字を本番どおりに測って書く練習を始めましょう。時間に余裕があるように見えて、構成を決めずに書き出すと最後に字数が足りなくなります。
  5. 書いた答案を、設問とつき合わせて見直しましょう。設問で問われていることに答えているか、自分の話で終わっていないか、警察官像へ接続できているかをチェックします。

なお、できれば仕上げの段階で意識してほしいのが、面接対策との一貫性です。論作文試験で書いた志望理由や警察官像は、面接でも問われる可能性があります。両者で言うことがブレないように、自分の軸を一本にしておくのが望ましいです。論作文は面接の下書きでもあります。東京消防庁などと併願する方は「東京消防庁の論文・作文」、神奈川県警と比べたい方は「神奈川県警察の論文・作文」もあわせて参考になります。

よくある質問(FAQ)

受験生からよく受ける質問に答えます。準備の手が止まりがちな点を中心にまとめました。

警視庁の論作文は何分・何字ですか。

Ⅰ類(論文)・Ⅲ類(作文)とも80分・1,000字程度でした。警察官採用試験のなかでは時間がやや長めですが、その分、構成と中身で差がつきます。年度で変わる可能性があるので、出願前に必ず最新の警視庁採用サイトの試験案内を確認してください。

Ⅰ類(論文)とⅢ類(作文)で、対策は変えるべきですか。

呼び方は分かれますが、警視庁の場合は方向性がよく似ています。どちらも「自分自身の経験・個性」に触れさせ、「警察官としてどう活かすか」へ着地させる出題です。基本の準備は共通で問題ありませんが、本番は必ず自分の区分の形式・字数で書く練習をしておきましょう。

警視庁の論作文は時事問題が出ますか。

直近3年の出題を見るかぎり、「時事問題を論じなさい」という形では出ていません。問われるのは自分の経験となりたい警察官像です。ただし、志望動機や警察官像を書く材料として、特殊詐欺・サイバー・防災といった警視庁の重点分野を一つ二つ知っておくと、答案に具体性が出ます。

過去問はどこまでさかのぼって練習すればいいですか。

まずは直近3年分の過去問を、自力で書けるようにしましょう。その上で、時間的に余裕があったり、警視庁が第一志望で何としても受かりたい、といった場合には、より過去にさかのぼって傾向を把握しておくべきでしょう。当塾の「過去問・予想テーマ解答例」を活用するのもオススメです。

文章が苦手でも合格できますか。

できます。警視庁の論作文は文才を競う試験ではなく、「問われたことに、自分の経験で素直に答え、警察官像へつなげられるか」「思想的な偏りがないか」が評価の軸になります。答案の型を覚えて練習を重ねれば、文章力そのものは後からついてきます。

ひとりで対策していて、手応えがありません。

よくあることです。論作文は自分では出来を判断しにくいものです。解答例の型に沿って書き、設問とつき合わせて見直すだけでも変わります。家族や友人、学校の先生などに読んでもらうのもオススメです。

まとめ

最後に要点を整理します。

  • 警視庁の論作文は、Ⅰ類が論文・Ⅲ類が作文、いずれも80分・1,000字程度で、どちらも「自分の経験・個性 → なりたい警察官像」を問うという傾向でした。
  • 時事論文ではないので、時事の暗記より自己分析と志望動機の言語化を優先しましょう。核になるエピソードを2〜3本用意しておくのが近道です。
  • 準備は、解答例を読む → 自分で書いてみるの順番で進めるのが最短ルートです。

なお、ひとりでの対策に不安がある方、手応えがなかった方、仕事や部活などで時間がない方には、Ⅰ類・Ⅲ類それぞれの区分に合わせて、独学での合格をサポートするテキストもご用意しています。必要に応じてご活用ください。

あなたが最終合格し、警視庁の警察官として活躍されることを心から願っております。イシカワでした。

イシカワ運営・執筆

  • 元 東京消防庁 消防官(運営・執筆)

元東京消防庁の消防官。現場での勤務経験と、採用される側・育てる側の両方の目線から、 警察官・消防官採用試験の論作文・面接対策を発信しています。イシカワ塾の記事は、リサーチから執筆までイシカワ本人が行っています。

監修者警察記事の監修

  • 元 警視庁 警察官(在籍 約12年)

本記事は、警視庁に約12年在籍した元警察官(地域課・機動隊を経て刑事課/巡査部長)が監修しています。 詳しくはイシカワ塾についてをご覧ください。