こんにちは、イシカワです。
この記事では、福井県警察の論作文(作文・小論文)について、直近3年の過去問・出題傾向・試験当日までの対策方法をまとめています。福井県警察の警察官を目指す方が、何をどの順で準備すればいいか、分かりやすく整理しました。
この記事でわかること
- 福井県警察の論作文の試験条件(試験時間・文字数・問題形式など)
- 直近3年の過去問(警察官A・警察官B)
- 過去問から読み取れる出題傾向
- 採点で見られやすい評定ポイント
- 当日までの準備の手順と、よくある質問への回答
福井県警察の論作文の試験条件
福井県警察の論作文は、区分によって試験時間も文字数も問題形式も異なります。大学卒の警察官Aは「論文」、高校卒の警察官Bは「作文」という整理です。
| 採用区分 | 問題形式 | 試験時間 | 文字数 |
|---|---|---|---|
| 警察官A(大学卒) | 論文 | 60分 | 700字程度 |
| 警察官B(高校卒) | 作文 | 50分 | 550字以内 |
大学卒は60分で700字程度。資料や設問が複数あり、構成力を問われます。高校卒は50分で550字以内。自分の経験を軸に書かせる出題が中心です。問われる中身がはっきり違うので、ここからは区分ごとに、過去問と出題傾向を見ていきましょう。
なお、実際の試験時間・字数・区分名等の試験条件は、年度ごとに変わることがあります。本試験前には必ず、最新の公式情報(募集要項・採用案内等)を確認してください。とくに字数は1割の差が構成を左右します。
福井県警察・警察官A(大学卒・論文)の過去問と出題傾向
福井県警察・警察官A(大学卒・論文)の過去問
警察官Aの論文は、ひとことで言うと「県内の治安テーマ+資料+複数設問」という形式です。
2025(令和7)年度
課題「薬物犯罪から県民を守るために」
近年、福井県における薬物犯罪の検挙人員は増加傾向にあり、今年度発覚した覚醒剤密輸事件では過去最大の量の覚醒剤が押収されるなど、薬物犯罪対策の重要性が高まっている。また、令和6年の統計によると、薬物犯罪のうち、大麻事犯の検挙人員が38人と過去最多を記録し、そのうち20歳代以下の若年層が検挙人員の65.8%を占めることから、若年層における薬物蔓延も危惧されている。
1 若年層における薬物蔓延を防ぐ上で、あなたが最も重要だと考える課題を1つ挙げ、理由とともに述べなさい。
2 1で述べた課題を踏まえて、薬物犯罪から県民を守るために、警察が取り組むべき対策について、あなたの考えを具体的に述べなさい。
※上記1、2の両方について回答すること。
※上記1、2について、おおむね半分ずつの文章量となるように回答すること。
※設問と関係のない記載は減点の対象とする。
2024(令和6)年度
課題「特殊詐欺から県民を守るために」
近年、SNSやキャッシュレス決済の普及が進み、これらを悪用した犯罪の手口が急激に巧妙化・多様化するなど、全国的に特殊詐欺の被害が後を絶たない。
福井県における令和5年の特殊詐欺の被害額は6,034万2千円で、前年より3,000万円以上増加しており、福井県警察としては、特殊詐欺の撲滅に向け、発生状況に応じた被害防止対策を早急に推進していく必要がある。
1 あなたが特に対策を講ずべきと考える特殊詐欺の手口を挙げるとともに、なぜそれを選んだのか理由を述べなさい。
2 1で挙げた特殊詐欺の手口から県民を守るために、警察が取り組むべき対策について、あなたの考えを具体的に述べなさい。
※上記1、2の両方について回答すること。
※上記1、2について、おおむね半分ずつの文章量となるように回答すること。
※設問と関係のない記載は減点の対象とする。
2023(令和5)年度
令和4年の県内におけるサイバー犯罪関連の相談受理件数は2,142件で、前年より241件増加した。また、サイバー犯罪の検挙件数も67件と、前年より9件増加している。福井県警察としては、今後もサイバー空間の安全安心の確保に向けた取組みを推進していく必要がある。
1 あなたが特に対策を講ずべきと考えるサイバー犯罪を挙げるとともに、なぜそれを選んだのか理由を述べなさい。
2 1で挙げたサイバー犯罪から県民を守るために、警察が取り組むべき対策について、あなたの考えを具体的に述べなさい。
※上記1、2の両方について回答すること。
※上記1、2について、おおむね半分ずつの文章量となるように回答すること。
※設問と関係のない記載は減点の対象とする。
(出典:福井県警察)
福井県警察・警察官A(大学卒・論文)の出題傾向
3年分から読み取れる傾向は、主に2つです。
傾向1:県内の重点犯罪を、自分の言葉で書かせる
薬物犯罪、特殊詐欺、サイバー犯罪。A区分はこの数年、福井県内の具体的な犯罪情勢を資料つきで出し続けてきました。ニュースの受け売りではなく、「なぜ福井で問題なのか」「警察に何ができるか」を自分の頭で組み立てられるか。課題や手口を「1つ挙げ、理由とともに」述べさせる指定が毎年続いている点も見逃せません。
傾向2:設問の指示を最後まで守れるかも採点対象
「両方について回答」「おおむね半分ずつ」「関係のない記載は減点」。福井県警察は、こうした指示を明文化してくるのが大きな特徴です。内容が良くても、指示を外せば減点されます。読解と指示の遵守も採点対象だと考えて、設問の構造どおりに答案を組みましょう。
なお、イシカワ塾では、このような福井県警察・警察官Aの出題傾向に合わせた「予想テーマ解答例」もご用意しております。必要に応じてご活用ください。
福井県警察・警察官B(高校卒・作文)の過去問と傾向
福井県警察・警察官B(高校卒・作文)の過去問
警察官Bの作文は、A区分とは対照的に「あなたの経験+警察官としての活かし方」を問う形式です。必ず二段構えで書かせる問いが続きます。
2025(令和7)年度
課題「興味・関心を持った治安上の問題について」
福井県警察では、県民の安全・安心の確保に向けた様々な取組みを推進しているが、あなたが興味・関心を持った福井県の治安上の問題を1つ挙げ、理由とともに述べなさい。また、あなたが警察官になった場合、その問題に対してどのように取り組んでいきたいと考えるか、具体的に述べなさい。
2024(令和6)年度
「あなたの考える警察官の役割」
警察官は、地域社会においてどのような役割を担っているか、あなたの考えを述べなさい。また、あなたが警察官になった場合、その役割を果たすために、どのような心構えで業務に取り組んでいきたいと考えるか、具体的に述べなさい。
2023(令和5)年度
あなたがこれまで、家族や友人など身近な人と接する際、心掛けてきたことについて具体的に述べなさい。また、その心掛けを、警察官として地域住民と接する際どのように活かしていきたいか、あなたの考えを述べなさい。
(出典:福井県警察)
福井県警察・警察官B(高校卒・作文)の出題傾向
警察官Bの出題傾向はハッキリしており、「心掛けてきたこと」「警察官の役割と心構え」「興味を持った治安上の問題」など、入り口は違っても、「あなたの経験・考え」と「警察官としての活かし方」を必ずセットで書かせるのが特徴です。前半だけ、後半だけでは点が伸びません。
きれいな言葉を並べるだけでなく、具体的なエピソードを一つ挙げ、それを警察官の仕事に一本の線でつなげることが重要になります。家族・友人との関わり、部活・学校生活の中から、自分の姿勢を示すエピソードを一つ、徹底的に深掘りしてネタを用意しておきましょう。
なお、イシカワ塾では、このような福井県警察・警察官Bの出題傾向に合わせた「予想テーマ解答例」もご用意しております。必要に応じてご活用ください。
採点でどこを見られるか(A・B共通)
採点者が見ているのは、文章の上手さよりも「この人と一緒に働けるか」だと考えてください。
警察官の採用試験は、文章力を競う試験ではなく、一緒に働く仲間を選ぶ試験です。もちろん、小論文・作文として基本的なルールを守ることは大前提ですが、それ以上に、「問われたテーマに正面から向き合っているか」「自分なりに最後まで答えを出しているか」が特に重視されます。気の利いた言葉や表現より、自分の頭で考えた跡があるかどうかを、採点者は見ています。
特に福井県警察の論作文試験の場合、次のポイントに注意しましょう。
- 設問の指示を守れているか。「両方について回答」「おおむね半分ずつ」「1つ挙げ」と言われたら、そのとおりに書けているか。指示の読み落としは大きな減点です。
- 自分が提案しようとしている取組や対策が、現場の動きとして、仕事として想像できるか。「現実に何ができるか」に触れずに、理想論だけで終わっていないか。
- 警察官としての適性が、文章からにじみ出ているか。「福井だからこそ」の一行があると、さらに印象に残ります。
福井県警察が掲げる運営の重点
福井県警察は、運営指針として「安全で安心な福井の実現 ~県民に寄り添い、社会の変化に的確に対応する警察~」を掲げています。警察官Bの2025年度の問題文にも「福井県警察では、県民の安全・安心の確保に向けた様々な取組みを推進している」とあるように、この方向性は設問の前提そのものになっています。
この指針のもとで、福井県警察は次の6つを運営重点に据えています。
- 県民の安全安心の確保に向けた総合対策の充実強化
- 安全安心を脅かす犯罪の徹底検挙及び組織犯罪対策の充実強化
- 交通情勢を踏まえた交通安全対策の充実強化
- 多様化するテロや激甚化する災害などへの対策の充実強化
- サイバー空間の安全安心の確保に向けた取組の推進
- 警察力の最適化による治安基盤の充実強化
警察官Aの過去問が「薬物」「特殊詐欺」「サイバー」を扱ってきたのは、この運営重点ときれいに重なっています。福井県警察がいま現実に力を入れている分野が、そのまま設問になっているということです。答案でも、重点と自分の主張を一本の線でつなぐと、説得力が増します。
また、指針に添えられた「県民に寄り添い、社会の変化に的確に対応する警察」というフレーズは、警察官Bで問われる「警察官の役割」「地域住民との接し方」を自分の言葉で書くときの手がかりになります。もちろん、面接でも役立ちます。
運営指針・運営重点は毎年更新されますので、受験前に最新版をチェックしておきましょう。
答案で使える福井県の事実
傾向で見たテーマに沿って、答案の説得力を上げる県の公表データを2つだけ紹介します。丸暗記ではなく、序論で課題の深刻さを示す材料として使ってください。
- 福井県の高齢化率は30.6%(令和2年)で、2040年には37.6%まで上昇すると推計されている。→ 特殊詐欺の答案で、被害に遭いやすい高齢者が今後さらに増えるという課題提示に。
- 福井県内には原子力発電所が15基立地し、全国の原子力発電量の25%強を担う。→ 「福井県の治安上の問題」の答案で、重要施設の警備・テロ対策という福井ならではの視点を示す材料に。
なお、数値は公表時点のもので、年度によって更新されます。答案で使うときは「約」を付けた概数で十分です。
(出典:福井県公表資料[人口ビジョン・県の産業等])
なお、イシカワ塾では、全国の警察本部の論作文課題や重点目標を分析し、最も出題可能性の高いテーマだけを集めた「予想テーマ解答例セット」もご用意しております。必要に応じてご活用ください。
試験当日までの対策ガイド
やることは至ってシンプルです。
- 良質な解答例を読む
- 自分で書いてみる
これだけに集中しましょう。
闇雲に、自分の力だけで論作文対策を乗り切ろうとするのは、あまりに無謀です。もちろん、独学での努力を否定するわけではありませんが、論作文試験の先には面接なども控えていますので、ここは出来る限り効率化し、他の試験対策に投資できる時間を増やしましょう。
試験当日までのオススメの過ごし方は以下の通りです。
- 「警察論作文の書き方ガイド」などを参考にしつつ、解答例を読み、論作文の基本の型を身につけましょう。結論・理由・具体・まとめの骨格をまず固めます。
- A区分は「課題を1つ+警察の対策」、B区分は「経験談+警察官としての活かし方」で書く準備をしましょう。自分の区分に合わせて、書くネタの引き出しを作っておいてください。
- 身につけた型に、福井県警察の重要テーマを当てはめます。「薬物犯罪」「特殊詐欺」「サイバー犯罪」「警察官の役割」などのテーマで予想問題を作り、実際に手を動かして答案を作る練習をします。当塾の「過去問解答例」や「予想テーマ解答例セット」を活用するのもオススメです。
- 最初はじっくり書いても構いませんが、試験本番の2週間前くらいまでには、Aは60分・700字、Bは50分・550字を本番どおりに測って書く練習を始めましょう。Aは「おおむね半分ずつ」の字数配分まで再現します。
- 書いた答案を、設問とつき合わせて見直しましょう。指示の見落とし、字数オーバー、結論の遅さがないか、主語が自分になっているか、チェックしましょう。
なお、できれば仕上げの段階で意識してほしいのが、面接対策との一貫性です。論作文試験で書いた志望理由や警察官像は、面接でも問われる可能性があります。両者で言うことがブレないように、自分の軸を一本にしておくのが望ましいです。論作文は面接の下書きでもあります。
よくある質問(FAQ)
受験生からよく受ける質問に答えます。準備の手が止まりがちな点を中心にまとめました。
福井県警察の論作文は何分・何字ですか。
大学卒の警察官Aは60分・700字程度の論文、高校卒の警察官Bは50分・550字以内の作文が基本線でした。ただし年度や区分で変わる可能性があるので、受験の際は必ず最新の募集要項を確認してください。
警察官Aと警察官Bで、対策は変えるべきですか。
はい。過去問を見るかぎり、Aは県内治安テーマの論文、Bは経験を書く作文が中心です。求められる力も、時間・字数も違います。受ける区分に合わせて、練習するテーマも変えるべきでしょう。
設問が2つある年は、どう配分すればいいですか。
大学卒では「おおむね半分ずつ」と指示された年が続いています。指示があればそれに従ってください。指示がなくても、片方に偏らせない構成が無難です。「設問と関係のない記載は減点」の一文も忘れずに。
過去問はどこまでさかのぼって練習すればいいですか。
まずは直近3年分の過去問を、時間を計って自力で書けるようにしましょう。その上で、時間的に余裕があったり、福井県警察が第一志望で何としても受かりたい、といった場合には、より過去にさかのぼって傾向を把握しておくべきでしょう。当塾の「過去問・予想テーマ解答例」を活用するのもオススメです。
時事ネタや数字は答案に入れるべきですか。
入れると具体性は増します。ただし、時事的な数値や統計情報は年々変わるのと、暗記し始めるとキリがない部分もあります。したがって、大まかなスケール感(「約◯◯件」「約◯◯名」など)や、近年の傾向(「増加傾向にある」「減少傾向にある」など)を把握して、答案に盛り込むのがオススメです。
文章が苦手でも合格できますか。
できます。警察官の論作文の採点は、表現のうまさより、「設問にまっすぐ答え、自分の言葉で書けているか」「思想的な偏りがないか」が評価の軸になります。答案の型を覚えて練習を重ねれば、文章力そのものは後からついてきます。
まとめ
最後に要点を整理します。
- 福井県警察の論作文は、Aが論文(60分・700字程度)、Bが作文(50分・550字以内)で、Aは県内治安テーマ+資料+複数設問、Bは経験+職務への活用を問うという傾向でした。
- 直近の出題傾向は、「薬物犯罪」「特殊詐欺」「サイバー犯罪」「警察官の役割」など。福井県警察の運営重点とつながっています。
- 準備は、解答例を読む → 自分で書いてみるの順番で進めるのが最短ルートです。設問の指示(配分・減点条件)を守る練習も忘れずに。
なお、ひとりでの対策に不安がある方、手応えがなかった方、仕事や部活などで時間がない方には、警察官A・Bそれぞれの採用区分に合わせて、独学での合格をサポートするテキストもご用意しています。必要に応じてご活用ください。
あなたが最終合格し、福井県警察・警察官として活躍されることを心から願っております。イシカワでした。
POLICE / FIRE EXAM