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消防官採用試験|作文・小論文対策完全ガイド
こんにちは、元東京消防庁消防官のイシカワです。
今回は、消防官採用試験の論作文対策を解説します。
教養試験と異なり、明確な正解が分かりにくい作文・小論文試験ですが、実は誰にでも高得点を狙える「正攻法」があります。この記事を読むことで、「試験の概要、対策の進め方、文章の書き方、オススメの参考書」などが分かります。
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そもそも作文・小論文試験って何?
作文・小論文試験とは
公務員試験における作文・小論文試験は、受験者の読解力・論述力・論述力を評価するための筆記試験です。
消防官採用試験では主に一次試験で実施されますが、自治体によっては二次試験の面接と合わせて実施する場合もあります。また、教養試験の成績が著しく低い受験者については、論作文の答案を採点せず、即不合格とする自治体もあります。
論作文こそ、一次試験突破の決め手
採用試験の筆記試験というと、なんとなく教養試験が主役で、論作文はオマケというイメージかも知れません。しかし実際は、論作文試験こそ影の裏ボス的存在です。
特に近年は、東京消防庁や横浜消防局など、教養試験の点数よりも論作文試験の結果を重視する消防本部が増加傾向にあります。
横浜市職員(大学卒程度) 消防一般区分 配点表 | |||||
教養試験 | 面接試験 | 論文試験 | 体力試験 | 総合点 | |
一次試験 | 410 | ー | ー | ー | 410 |
二次試験 | 40(換算) | 300 | 100 | 100 | 540 |
あくまで一例ですが、この通り、圧倒的に論文試験の配点が高いです。
作文・小論文試験が重視される理由
消防官採用試験で論作文試験が重視されるのは、受験生が書いた文章から、その人物の人間性や知識の応用力を評価することができるからです。
- 自分の見解を整理し、読み手に伝わりやすい文章で表現できるか。
- 読みやすい文字で書かれているか。
- 原稿用紙の使い方は正しいか。
- 意見・主張の内容は妥当か。
- 言葉遣いは丁寧か。
- 誤字脱字はないか。
上記のような着眼点で答案を評価していくと、受験者の作業能力・物事の考え方・人間性などが見えてきます。
答案の自由度が高いゆえに、教養試験では分からない受験者の内面を知ることができるわけです。
特に、消防官や警察官をはじめとした公安職では、堅実な文書作成能力はもとより、思想や社会性のバランス感覚も重要視されます。
ゆえに、表面的な知識・知能を評価する教養試験よりも、受験者の思想や心情を把握しやすい論作文試験のほうが重視されているわけです。
制限時間や文字数の条件はどのくらい?
一般的な試験条件は、時間制限が60〜90分程度、文字数が800〜1200字程度となっています。また近年は、制限時間だけを設けて、文字数は無制限という自治体も増えています。
制限時間 | 文字数 | |
東京消防庁 | 90分 | 800字以上1200字程度 |
大阪市消防局 | 60分 | 制限なし |
横浜市消防局 | 60分 | 750字程度 |
川崎市消防局(大卒) | 80分 | 1000字以上1200字以内 |
川崎市消防局(高卒) | 60分 | 800字以上1200字以内 |
作文・小論文対策の進め方
基本の流れは次の通りです。
論作文対策の進め方
- 基礎知識を身に付ける
- 文章構成の基礎を学ぶ
- 解答例を読む
- 自分で書いてみる
- 添削する
詳しく解説します。
STEP ❶ 基礎知識を身に付ける
論作文試験で出題される問題形式は以下の4種類に分類できます。
- 個人的な事柄に関するテーマ
- 社会に関するテーマ
- 消防に関するテーマ
- 資料解釈型テーマ
いずれの出題テーマも、スムーズに答案を書き上げるためには基礎知識が求められます。
下記のテクニックを参考にしつつ、まずは基礎学習を終わらせましょう。
個人的な事柄に関するテーマ
過去の出題
- 「社会人として必要なものを3つ挙げ、それを身に付けるためにあなたが今後どう取り組んでいくのか具体的に述べよ。」
東京消防庁I類 令和2年度2回目
- 「あなたが今までもっとも努力したことをあげ、その努力をこれからどのように活かしていくか述べなさい。」
東京消防庁Ⅲ類 平成26年
- 「『私が目標とするもの』と題してあなたの考えを述べてください。」
大阪市消防局B(高卒)区分 平成27年
- 「仕事をする上で、市民や職場の上司・同僚と良好なコミュニケーションを取ることは重要なことです。他者とうまくコミュニケーションを取るためには何が必要だと思いますか。あなたの考えを述べなさい。」
横浜市消防局(高卒程度) 平成29年
出題の特徴
受験生自身の個人的な経験・価値観に焦点を当てた出題です。
事前知識が不要なため、消防官志望者以外の受験生にも書きやすいテーマです。
主に高卒区分の作文試験に多い形式ですが、近年は東京消防庁1類をはじめ、大卒区分の小論文試験でも出題されるようになってきました。
対策方法
誰にでも書きやすいテーマということは、よりライバルが増えるということです。
設問の難易度が低いので、「問題の主旨を見誤る」「文字数が足りない」などのミスは起こりにくくなりますが、その分、文章の質で勝負しなければなりません。
自己分析を通じて自分の価値観や過去の経験談などを整理しつつ、スムーズに文章化できるように訓練しておきましょう。
特に以下のテーマは論点になりやすいので要チェックです。
要注意テーマ
- 学生時代に頑張った事
- 困難な経験・失敗談
- 自分の強み・弱点
- 弱点の克服方法
- 理想とする消防官像 etc.
なお下記ページにて、イシカワ塾オリジナルの「自己分析シート ( 2枚組 ) 」を無料配布しております ( 有料テキストですが、シートは無料でダウンロード頂けます ) 。いくつかの設問に答えていくだけで、簡単に自己分析が完結します。現役採用担当者が徹底監修した自己分析シートですので、ぜひご活用ください。
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社会に関するテーマ
過去の出題
- 「デジタルトランスフォーメーションの実現が、人間社会にどう影響を与えるかについて、あなたの意見を具体的に述べなさい。」
東京消防庁I類 令和3年度
- 「少子高齢化が社会に及ぼす影響をあげ、それに対する消防行政の取組みについて、あなたの考えを述べなさい。」
東京消防庁I類 平成26年度第2回
- 「大阪市では2019年にG20サミット開催を控えており、テロ等への対策が求められている。消防局としてどのように対処していくべきなのか、あなたの考えを述べなさい。」
大阪市消防局(大卒区分) 平成30年度
- 「2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開催されることに伴い、川崎市の地域特性を踏まえた課題及びその課題に対して消防が行うべき対策について、あなたの考えを述べなさい。」
川崎市消防局(大卒程度) 平成30年度
出題の特徴
社会問題や時事問題に関する出題です。
公務員として必要な社会的素養を問う出題ですので、適切に答案するためには出題テーマに関する基礎知識が必要です。
対策方法
日頃からニュースや新聞をチェックしつつ、社会情勢に対する自分の意見や考えを整理しておきましょう。
時間がない受験生は、速攻の時事などを使って、一気に知識を詰め込んでしまうのもオススメです。
消防に関するテーマ
過去の出題
- 「先般発生した平成28年熊本地震における災害について、あなたが問題と感じることを2つあげ、その解決方策について述べなさい。」
東京消防庁I類 平成28年度
- 「全国各地で大災害が頻発していることや、災害が複雑・多様化している状況を踏まえ、横浜市では社会からのニーズを的確に捉え、それに全力で応えられる消防職員の人材育成を行なっています。これを踏まえ、あなたが横浜市において、消防職員としてどのように仕事に取り組むべきか述べなさい。」
横浜市消防局(大卒区分) 令和元年
- 「近年、令和元年東日本台風など各地で豪雨や地震などによる自然災害が発生しています。 これらを教訓として、川崎市の地域特性を述べた上で、その地域特性ごとに消防が行うべき対策について、あなたの考えを述べなさい。」
川崎市消防局(大卒程度) 令和2年度
出題の特徴
消防に関する専門的な知識・意見を問う問題で、出題頻度は比較的高いです。
この手の問題を解く際は、一般市民としての見解を述べるのではなく、「自分が消防官の立場だったら、どう考えるか?」という視点で回答しなければなりません。
対策方法
総務省消防庁が発行している「消防白書」を読んでおきましょう。
消防白書とは、日本国内の災害情報や消防機関の活動実績、消防行政が取り組んでいる重要施策などを、総務省消防庁が毎年取りまとめている年次報告書です。
総務省消防庁の公式ホームページから無料でダウンロードできるので、消防官志望者は必ず入手しましょう。
なお、かなりボリューミーな報告書なので、細かい数値や固有名詞を全部暗記する必要はないです。
興味のあるテーマや、論作文で話のネタになりそうな部分だけ、自分なりにチョイスして覚えておきましょう。
資料解釈型テーマ
過去の出題
- 「資料から傾向を読み取り、行政機関が発信する情報を都民に広く周知するための効果的な方法を考え、具体的に述べなさい。」
東京消防庁I類 令和2年度1回目
- 「資料『救急車を呼んだ理由』から読み取れる課題と対応策について、あなたの考えを具体的に述べなさい。」
東京消防庁I類 令和元年度
- 「資料『新規学卒者就職率と3年以内離職率(大学)、(高校)』から読み取れる課題を2つあげ、それぞれの対応策についてあなたの考えを具体的に述べよ。」
東京消防庁I類 平成30年度
出題の特徴
与えられた資料を元に、自分の意見や考えを論述させるタイプの問題です。
東京消防庁1類の小論文試験に多い形式で、与えられる資料は社会問題・時事問題・消防行政に関する統計資料などです。
出題テーマに関する事前知識だけでなく、資料を正しく読み解いて考察する能力も求められます。
対策方法
基本的には「社会に関するテーマ」「消防に関するテーマ」と同じく基礎学習が重要となります。
資料解釈型小論文の対策は、とにかく1問でも多くの過去問に触れて、あらゆる資料形式に対応できるように訓練するしかありません。
資料解釈型小論文の読解テクニックは「東京消防庁1類の小論文・模範解答例文集」の中で詳しく解説していますので、対策が必要な方はチェックしてみてください。
STEP ❷ 文章構成の基礎を学ぶ
基礎学習をある程度進めたら、次は文章をスムーズに書くテクニックを学んでいきます。
といっても、やるべきことはシンプルでして、この動画を見ておけばOKです。
動画を参考にしつつ、自分なりに過去問を解いてみて、もっと詳しく知りたいと思った時だけテキストを買い足す。こんな感じの流れがおすすめです。
STEP ❸ 解答例を読む
論作文対策をより効率化したいのであれば、実際に文章を書き始める前にお手本となる解答例を読んでおくべきです。
闇雲に文章を書きまくるよりも、ゴールを見据えて対策を進めたほうが最短ルートで上達できるからです。
解答例を入手する方法としては、以下の2通りがあります。
解答例の入手方法
- 合格者から解答例をもらう。
- テキストを参考にする。
一番手っ取り早いのは、身近な知り合いに消防官がいて、解答例を提供してもらえる場合です。
ただ、そんな幸運な方は中々いないんじゃないかなと思います。
そこで、ひとつ提案です。
お知らせ
当イシカワ塾では、下記サイトにて消防論作文の模範解答例を多数配信しています。
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STEP ❹ 実際に書いてみる
論作文試験対策において最も重要なのは、実際に自分の手で文章を書くことです。
どれだけたくさんの文章テクニックを学んでも、書く訓練をしないことには文章力は向上しないからです。
作文・小論文はスポーツと一緒。
ちょっと変な例え話かも知れませんが、知識やテクニックだけを詰め込んで試験本番に挑むのは、スポーツを座学で学んでいきなり公式試合に出るようなものです。
つまり、圧倒的ギャンブル。
稀に運や才能だけで乗り切る猛者もいますが、大抵はコテンパンにのされて試合終了です。
最高のパフォーマンスを本番で確実に発揮するためには、日頃の練習が不可欠です。
最初は論文1本書き上げるだけでも相当疲れると思いますが、そんな地道な練習が、あなたの文章力を劇的に向上させます。
そのうち少しずつ慣れてきて、最終的にはどんな出題テーマでもスムーズに書き進められるようになってきます。
作文・小論文の執筆手順
消防官採用試験の受験生の中には、試験開始の合図と同時に猛烈な勢いで答案用紙に書き殴り始める人がいます。
ただ正直、このやり方はあまりオススメしません。
書く内容を整理せず、ただ文字数を埋めるだけの答案では高得点は狙えないからです。
じゃあ、どうしたらいいの?という話ですが、実は作文・小論文には、王道の執筆手順があります。
具体的には、以下のとおりです。
執筆手順
- 論点を整理する(5〜10分)
- 文章構成を考える(5〜10分)
- 内容を作り込む(5〜10分)
- 清書する(40〜50分)
- 最終チェック(5〜10分)
カッコ内の時間は、試験時間90分の場合のペース配分です。
あくまで目安なので、練習を繰り返しながら自分に合った時間配分を見つけてください。
また、慣れないうちは制限時間を無視して、きっちり文章を書き上げることに集中するのもおすすめです。
なお、個人的な経験からいうと、清書にかかる時間は1000字で30〜40分、1200字なら40〜50分くらいが目安です。
「ちょっと書くの遅いんじゃない?」と思われるかもですが、本番の緊張の中で言葉遣いを選びつつ、丁寧な筆記を心掛けていると、このくらいの時間はかかってしまいます。
試験本番では絶対に答案を書き終えなければならないので、もし仮に下書きに配分した時間をオーバーしてしまったら、その時はどれだけ内容が中途半端でも、あきらめて答案用紙に清書し始めるしかありません。
そのようなことが絶対に起こらないよう、何度も演習を繰り返して、余裕を持って答案を書き上げられる実力を身に付けておきましょう。
- これ以降の内容は、YouTube動画「徹底解説!消防論作文」の内容を前提に解説します。
それでは具体例を出しつつ、解説します。
設問
これからあなたが働く上で、報告・連絡・相談がなぜ必要なのか、あなたの考えを具体的に述べなさい。東京消防庁Ⅲ類 令和2年度
この問題の答案を、一緒に考えていきましょう。
執筆手順 ❶ 論点を整理する
試験開始の合図が出たら、まず問題文をゆっくり読んで、出題の意図を整理していきます。
ここで論点を見誤ってしまうと、「問題の主旨を理解していない」という最も憂慮すべき失敗につながりますので、間違っても早合点はせずに、落ち付いて論点を見極めましょう。
ちなみに私の場合、緊張して問題文が頭に入ってこない時は、一旦目を閉じて、深呼吸してから作業を始めてました。
さて、今回の問題文は、
つまり内容を整理すると、最終的な結論は「報告・連絡・相談は必要である」であり、問題文の中ですでに明示されていることが分かります。
問われているのは、この結論に至るまでの理由付け。「なぜ必要なのか?」という部分です。
この部分が明確になる文章を作っていきます。
ポイント
下書きを考える時のメモ書きは、問題用紙の余白部分にガリガリ書いちゃってOKです。答案用紙は汚しちゃダメですが、問題用紙の使い方は基本的に自由なので、遠慮せず使い倒しましょう。
執筆手順 ❷ 文章構成を考える
字数配分を意識しつつ、大まかな文章構成を作ります。
YouTube動画でも詳しく解説していますが、基本的な文章構成は以下のとおり。
文章構成の基本
- 結 論 ... 結論を述べる。(自分の意見・主張)
- 具体例 ... 結論を詳しく説明する。
- 結 論 ... 結論を繰り返す。
この文章構成に、問題文の情報を流し込んでいきます。
- 結 論
「報告・連絡・相談は必要である」(200字) - 具体例
①「報告はなぜ必要なのか」(150字)
②「連絡はなぜ必要なのか」(150字)
③「相談はなぜ必要なのか」(150字) - 結 論
「報告・連絡・相談は必要である」(200字)
こんな感じです。
字数配分については、かなり大まかなイメージでOKです。
最初はペース配分が掴めないかも知れませんが、そのうち感覚的に分かるようになってきます。
よくある質問:内容と文字数、どちらを重視すべきですか?
文字数の最低条件は必ず守るべきですが、それをクリアできるなら内容重視で書くべきです。
たとえば東京消防庁の場合、文字数条件は800字以上1200字程度ですから、800字以上は必ず書きましょう。ただし、それを超えそうならば文字数は十分と考えて、内容重視でしっかり文章を作り込んでいきましょう。
逆に、文字数の上限まで書き上げることだけを目的にして、意味のない文章を水増しするのはNGです。
インターネットで色々調べると、「小論文試験で◯◯字以上書けたのに不合格だった」というような書き込みを時々目にしますが、その考え方は本質を得ていません。
文章とは、「情報の伝達手段」です。
何文字書いても、読み手に内容が伝わらなければ、その文章に価値はありません。
もちろん、書いた文字数によって多少得点が変動することもあると思いますが、結局、文章のクオリティが低ければ全て台無しです。
自分の主張を分かりやすく、短くシンプルに伝える文章を書くよう心がけましょう。
※ ちなみに、私が東京消防庁1類に合格したときに書いた答案は文字数下限ギリギリでした。
執筆手順 ❸ 内容を作り込む
文章構成の骨組みが出来上がったら、次は自分の意見・主張・知識などを肉付けして、清書できるレベルにまで文章を膨らませます。
言葉で説明しても分かりづらいと思いますので、具体例を出します。
- 結 論
「◯◯だから、報告・連絡・相談は必要である」 - 具体例
①「◯◯だから、報告は必要である。」
②「◯◯だから、連絡は必要である。」
③「◯◯だから、相談は必要である。」 - 結 論
「◯◯だから、報告・連絡・相談は必要である」
この◯◯の部分を埋める内容を考えていきます。
たとえば、以下のイメージです。
- 結 論
「組織で情報を共有し、不具合を最小限にするためには、報告・連絡・相談が必要である。」 - 具体例
① 「報告は、物事の結果を共有するための手段として必要である。」
② 「連絡は、物事の変化を共有するための手段として必要である。」
③ 「相談は、物事の問題を共有するための手段として必要である。」 - 結 論
「人の命に関わる情報を扱う消防組織だからこそ、報告・連絡・相談は間違いなく必要である。」
こんな感じです。
話の流れが明確になり、文字数にもボリュームが出てきました。
なお、冒頭と終わりの2つの結論部分は、同じ文章の繰り返しでもOKですが、できれば上記のように言葉や視点を変えて書くと綺麗な文章に仕上がります。
執筆手順 ❹ 清書する
下書きのメモを参考にしつつ、読みやすい文字で答案用紙に清書します。
論作文試験については「文字が汚くても文章が良ければOK」という誤解があったりしますが、大抵の場合、「読みやすい答案かどうか」も評価項目に含まれています。また、あまりに判読できない文章が連続してしまうと、「採点不可」として致命的な減点を受ける可能性もあります。
書道のようにゆっくり気合を入れて書く必要はありませんが、少なくとも採点者が不快にならない程度には丁寧な筆記を心掛けましょう。
また、試験本番では文章全体の下書きを考えるのは時間的に困難なので、細かい表現などは清書しながら肉付けをして、文字数にボリュームを出していかなければなりません。
これも最初のうちは難しいと感じるかも知れませんが、練習を重ねるうちに慣れてくるはずです。
文章構成の骨組みさえしっかり作っていれば、少なくとも論点を見失ったり、主張の方向性がブレることはありません。自信を持って書き進めましょう。
解答例について
今回作った解答例の全文は、先ほどご紹介した「note版 イシカワ塾」にて無料公開しています。ご覧になりたい方は下記リンク先の目次から「サンプル解答例」へお進みください。
執筆手順 ❺ 最終チェック
書き終わった答案を読み返して、誤字脱字がないかチェックします。
ミスを見つけたら残り時間に注意しつつ、丁寧に修正していきましょう。
文章構成を変えるような大きな書き直しはせず、なるべく細かい修正に留めておくのが無難です。
STEP ❺ 添削する
文章が完成したら、家族や友人、学校の先生など、身近な人に読んでもらいましょう。
自分で書いた文章を客観的に評価するのは中々難しいので、添削はなるべく第三者に任せるのがオススメです。
おかしな部分や間違いはその度に改善して、少しずつ文章力を高めていきましょう。
まとめ
ということで、今回は以上です。
結局は「慣れ」が一番大事なので、基礎学習が終わったら、とにかく書きまくるのが正解です。
繰り返しますが、論作文はスポーツと一緒。
上手な人のプレー ( 解答例 ) を観察したり、練習を繰り返すうちに要領がつかめてきます。
気長にコツコツ、頑張っていきましょう。
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