こんにちは、イシカワです。
この記事では、大阪市消防局の論作文(作文・小論文)について、直近の過去問・出題傾向・試験当日までの対策方法をまとめています。大阪市消防局は、区分によって出題の性格がはっきり分かれます。何をどの順で準備すればいいか、分かりやすく整理しました。
この記事でわかること
- 大阪市消防局の論作文の試験条件(試験時間・文字数・問題形式など)
- 直近の過去問(消防吏員Aは直近3年、消防吏員Bは直近2年のBI・BII全題)
- 過去問から読み取れる出題傾向
- 採点で見られやすい評定ポイント
- 当日までの準備の手順と、よくある質問への回答
大阪市消防局の論作文の試験条件
大阪市消防局の論作文は、消防吏員Aは政策的な「論文」、消防吏員Bは経験を書く「作文」という区分けで実施されてきました。試験時間はいずれも60分です。
| 採用区分 | 問題形式 | 試験時間 | 文字数 |
|---|---|---|---|
| 消防吏員A | 論文 | 60分 | 公表なし(おおむね800字程度が目安) |
| 消防吏員B | 作文 | 60分 | 公表なし(おおむね800字程度が目安) |
文字数は公式に明示されない年があり、上の「800字程度」はあくまで目安です。また、消防吏員Bには、同じ年度にBI・BIIという2題が課されてきた実績があります。区分によって準備の方向がまったく違うので、ここからは区分ごとに過去問と傾向を見ていきましょう。
なお、実際の試験時間・字数・区分名等の試験条件は、年度ごとに変わることがあります。本試験前には必ず、最新の公式情報(募集要項・採用案内等)を確認してください。
大阪市消防局・消防吏員A(論文)の過去問と出題傾向
大阪市消防局・消防吏員A(論文)の過去問
消防吏員Aの論文は、ひとことで言うと「大阪市の行政課題+具体的な取組」を問う形式です。
2025年度(R7)
高齢化の進展等により、救急件数の増加が予測される中、充実した施策の推進と良質な救急活動の実施により、救命率の維持向上を図る必要がある。大阪市において「良質な救急行政サービス」を提供するにあたり、具体的にどのような取組が効果的かあなたの考えを述べなさい。
2024年度(R6)
大阪市は、令和4年の火災件数は643件で前年に比べて7.9%増加している一方で、近年は映画館やスーパーマーケット、宿泊施設や商業施設等の様々な集客施設が立ち並び、市民はもとより国内外から多くの人々が集まる都市である。そのような大阪市の地域特性はもちろん、インバウンドの増加等の変わり続ける情勢を的確に捉えた火災予防をするためには、どのような取組が必要か、あなたの考えを述べなさい。
2023年度(R5)
今後発生が危惧される南海トラフ巨大地震や風水害等の大規模災害に対応していくためには、公助だけでは全ての災害に対応することは困難であり、地域住民の自助・共助が重要となる。地域住民の自助・共助意識を高めるためには、市民への啓発活動として、具体的にどのような取組が効果的かあなたの考えを述べなさい。
(出典:大阪市消防局)
大阪市消防局・消防吏員A(論文)の出題傾向
3年分から読み取れる傾向は、主に2つです。
傾向1:救急・火災予防・大規模災害という現実の行政課題
救急需要の増加、集客施設やインバウンドを踏まえた火災予防、南海トラフ巨大地震への備え。消防吏員Aはこの数年、大阪市の消防が実際に向き合っている行政課題を続けて出してきました。抽象的な精神論では足りません。課題の背景をニュースレベルで押さえておくと、ぐっと書きやすくなります。
傾向2:「具体的にどのような取組が効果的か」まで書かせる
Aの設問は、ほぼ毎年「具体的にどのような取組が効果的か」で締めくくられます。社会問題の解説で終わる答案は、設問に答えたことになりません。テーマに対して、実行できる施策を2〜3本立てる構造を、あらかじめ体に入れておいてください。市民への啓発、関係機関との連携、職員の体制づくりといった引き出しを用意しておくと、どのテーマでも応用が利きます。
なお、イシカワ塾では、このような大阪市消防局・消防吏員Aの出題傾向に合わせた「予想テーマ解答例」もご用意しております。必要に応じてご活用ください。
大阪市消防局・消防吏員B(作文)の過去問と出題傾向
大阪市消防局・消防吏員B(作文)の過去問
消防吏員Bの作文は、消防吏員Aとは対照的に「受験者の人物像・価値観」を問う、題名型の形式です。同じ年度にBI・BIIの2題が課されてきたため、直近2年の各題をすべて掲載します。
2025年度(R7)BI
「人を助けること」と題して、あなたの考えを述べなさい。
2025年度(R7)BII
「チームワークの重要性」と題して、あなたの考えを述べなさい。
2024年度(R6)BI
消防署等に配属された場合、集団で活動を行うこととなるが、「集団での活動における協調性」と題してあなたの考えを述べなさい。
2024年度(R6)BII
「コミュニケーションの重要性」と題して、あなたの考えを述べなさい。
(出典:大阪市消防局)
大阪市消防局・消防吏員B(作文)の出題傾向
Bの題は、チームワーク、協調性、コミュニケーション、人を助けること。読み取れる傾向は2つです。
傾向1:「集団・協調・他者」を繰り返し問う
Bの題は、ほぼ一貫して集団の中の自分を問うています。消防はチームで動く仕事です。ひとりの英雄ではなく、周囲とどう噛み合うかが見られています。自分の経験から、人と協力して何かを成し遂げた話を、いくつか用意しておきましょう。
傾向2:抽象的な題を、自分の経験に落とす
「チームワークの重要性」「人を助けること」のように、Bの題は抽象的な言葉で与えられます。きれいごとで終わらせず、いつ、誰と、何をして、何を学んだかという具体に落として初めて、人物像が立ち上がります。部活・アルバイト・学校生活の中から、自分の強みを示すエピソードを深掘りしておいてください。
なお、イシカワ塾では、このような大阪市消防局・消防吏員Bの出題傾向に合わせた「予想テーマ解答例」もご用意しております。必要に応じてご活用ください。
採点でどこを見られるか(消防吏員A・B共通)
採点者が見ているのは、文章の上手さよりも「この人と一緒に現場へ出られるか」だと考えてください。
消防官の採用試験は、文章力を競う試験ではなく、一緒に働く仲間を選ぶ試験です。もちろん、作文・小論文として基本的なルールを守ることは大前提ですが、それ以上に、「問われたテーマに正面から向き合っているか」「自分なりに最後まで答えを出しているか」が特に重視されます。
特に大阪市消防局の論作文試験の場合、次のポイントに注意しましょう。
- 消防吏員Aは、テーマに正面から答え、具体策を出せているか。大阪市の特性を踏まえた、実現性のある取組になっているか。
- 消防吏員Bは、題に対して自分の経験を具体的に書けているか。協調性や役割意識が、エピソードで裏づけられているか。
- 共通して、チームで動く意識と、市民への責任感が文章からにじみ出ているか。消防は隊で動く仕事です。
大阪市消防局が掲げる運営の重点
大阪市消防局は、毎年度公表している「消防局運営方針」の中で、その年の目標と重点課題を掲げています。令和8年度の目標は、次のとおりです。
市民が安心して暮らせる「災害に強いまち・安全な都市」をめざす。
そのうえで、令和8年度は次の4つを重点的に取り組む経営課題としています。
- 高齢者の安全対策を主眼とした消防行政の推進
- 市民等が利用する施設の安全・安心の確保
- 良質な救急行政サービスの確保
- 大規模災害への対応力の強化
過去問と見比べると、つながりがはっきりします。消防吏員Aで問われてきた「良質な救急行政サービス」「集客施設を踏まえた火災予防」「南海トラフ巨大地震への自助・共助」は、この経営課題の「良質な救急行政サービスの確保」「市民等が利用する施設の安全・安心の確保」「大規模災害への対応力の強化」と、そのまま重なります。つまり、大阪市消防局が組織として重点を置く分野が、そのまま論文の設問になっているということです。答案でこの重なりを意識できると、説得力が一段と増します。
運営方針は毎年更新されます。受験前に、最新版を確認しておきましょう。
答案で使える大阪市の事実
傾向で見たテーマに沿って、答案の説得力を上げる公表データを紹介します。丸暗記ではなく、序論で課題の深刻さを示す材料として使ってください。
- 大阪市の高齢化率は24.9%、うち75歳以上は14.6%(令和6年10月1日現在)。将来推計でも高齢化率は急速に上昇する見込み。→ 消防吏員Aの「良質な救急行政サービス」がテーマの論文で、救急需要が増える背景を示す序論の材料に。
- 大阪市の被害想定では、南海トラフ巨大地震はマグニチュード9.0〜9.1、建物被害(全壊+半壊)約29.6万棟、帰宅困難者は約86.57万人(平成25年度想定)。→ 「大規模災害への対応」「自助・共助」がテーマの論文で、備えの必要性を示す材料に。
- 2024(令和6)年の来阪外国人旅行者数は約1,409万人(大阪府算出・来阪ベース)、市内の民営事業所数は227,520事業所(2021年)。→ 「集客施設・インバウンドを踏まえた火災予防」がテーマの論文で、不特定多数が集まる都市特性を示す材料に。
なお、数値は公表時点のもので、年度によって更新されます。答案で使うときは「約」を付けた概数で十分です。
(出典:大阪市公表資料[人口統計・地震被害想定・経済センサス・観光統計等])
なお、イシカワ塾では、全国の消防官採用試験の論作文課題を分析し、最も出題可能性の高いテーマだけを集めた「予想テーマ解答例セット」もご用意しております。必要に応じてご活用ください。
試験当日までの対策ガイド
やることは至ってシンプルです。
- 良質な解答例を読む
- 自分で書いてみる
これだけに集中しましょう。
闇雲に、自分の力だけで論作文対策を乗り切ろうとするのは、あまりに無謀です。もちろん、独学での努力を否定するわけではありませんが、論作文試験の先には面接なども控えていますので、ここは出来る限り効率化し、他の試験対策に投資できる時間を増やしましょう。
試験当日までのオススメの過ごし方は以下の通りです。
- まず自分の区分を確認しましょう。消防吏員Aなら政策論文、消防吏員Bなら人物作文で、準備の方向がまったく違います。
- 「消防論作文の書き方ガイド」などを参考にしつつ、解答例を読み、論作文の基本の型を身につけましょう。結論・理由・具体・まとめの骨格をまず固めます。
- 身につけた型に、大阪市消防局の重要テーマを当てはめます。Aなら「救急・火災予防・大規模災害」の取組を2〜3本、Bなら「協調性・チームワーク・人を助けた経験」を各2〜3個、書く練習をします。当塾の「過去問解答例」や「予想テーマ解答例セット」を活用するのもオススメです。
- 試験本番の2週間前くらいまでには、60分で本番どおりに測って書く練習を始めましょう。時間配分を体に覚えさせます。
- 書いた答案を、設問とつき合わせて見直しましょう。設問で問われていることにしっかり答えているか、主語が自分(消防)になっているか、チェックしましょう。
なお、できれば仕上げの段階で意識してほしいのが、面接対策との一貫性です。作文で書いた「協調性」や志望理由は、面接でも問われる可能性があります。両者で言うことがブレないように、自分の軸を一本にしておくのが望ましいです。論作文は面接の下書きでもあります。
よくある質問(FAQ)
消防吏員Aと消防吏員Bで、対策はどう違いますか。
大きく違います。Aは政策論文、Bは人物作文です。Aは救急や火災予防への「取組」を論じ、Bはチームワークや協調性を自分の経験で書きます。まず自分の区分を確認し、方向を間違えないでください。
消防吏員Bの2題(BI・BII)は、どう準備すればいいですか。
過去問を見ると、2題とも協調性・チームワーク・コミュニケーションといった人物テーマです。題名は変わっても芯は共通なので、自分の協力・貢献のエピソードをいくつか用意しておけば、どちらの題にも応用できます。ただし出題の数や構成も年度で変わり得るため、公式で確認してください。
文字数は何字くらいを目指せばよいですか。
公式に文字数が明示されない年があり、追跡ではおおむね800字程度が目安です。ただし年度で変わり得ます。最新の募集要項で必ず確認してください。
消防吏員Aでは、消防の専門知識が必要ですか。
細かい法令知識までは要りません。ただし、救急・火災予防・大規模災害といったテーマの基本は押さえておくべきです。具体的な取組を出すには、最低限の理解が土台になります。
大阪市の火災件数や救急件数は、覚えるべきですか。
丸暗記の必要はありません。ただ過去問では、こうした数字が前提として示される年があります。大都市ならではの課題感をつかんでおくと、論文に深みが出ます。最新の数値は公式資料で確認してください。
文章が苦手でも合格できますか。
できます。採点は表現のうまさより、設問にまっすぐ答え、自分の言葉で書けているかを見ています。型を覚えて練習を重ねれば、文章力そのものは後からついてきます。それでも不安な場合は、解答例つきの教材を選択肢のひとつにしてください。
まとめ
最後に要点を整理します。
- 大阪市消防局の論作文は、消防吏員A=論文/消防吏員B=作文の二本立て。いずれも試験時間は60分でした。
- 消防吏員Aは救急・火災予防・大規模災害への具体的な取組、消防吏員Bは協調性・チームワーク・人を助けることを問う傾向。大阪市消防局の運営方針(救急・施設安全・大規模災害)とつながっています。
- 準備は、区分の見極め → 解答例を読む → 自分で書いてみるの順番で進めるのが最短ルートです。
なお、ひとりでの対策に不安がある方、手応えがなかった方、仕事や部活などで時間がない方には、消防吏員A・消防吏員B、それぞれの採用区分に合わせて、独学での合格をサポートするテキストもご用意しています。必要に応じてご活用ください。
あなたが最終合格し、大阪市消防局の消防士として活躍されることを心から願っております。イシカワでした。
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